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電子足跡:薩摩街道歩き旅 出水宿から牛ノ浜駅へ
初めて 東シナ海 が見える道

プロローグ
 

このページは薩摩街道を出水宿から牛ノ浜駅まで歩いたときのページです。出水は鶴が飛来する土地として有名です。市街地にも鶴のオブジェが複数個所に飾られていてそれをアピールしています。

出水駅から西に11㎞ほど歩くと、野田郷駅付近には "野田郷武家屋敷群" があります。武家屋敷は残っていないのですが、薩摩街道の両側に石垣が続き武家門が複数残り説明板は無くても、ここはかつて武家屋敷があったと直観的に分かる景観です。

更に里山の中を歩いて行くと、阿久根市街の手前の高台から 東シナ海が望めます。これまで見えていた海は八代海で対岸は宇土半島や天草諸島でしたが、ここから西、およそ800㎞先の対岸は中国 上海です。

歩きデータ

都道
府県
区間 通る宿場等 歩いた日 GPS
移動距離
鹿児島県 肥薩おれんじ鉄道  出水駅~牛ノ浜駅 出水宿,三百塚,野田郷武家屋敷群,大日の仁王像、島津但馬守墓,東シナ海,阿久根宿,高之口港,大川島,牛ノ浜 2023/11/19 26.5㎞



 GPSログをGoogleEarthでツアーする方法
kmz形式のGPSデータがリンクされています。GoogleEarthがインストールされているとGoogleEarthで表示されます。


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出水宿
 

出水駅を7時少し前から歩き始めました。
九州の夜明けは遅くて、街はまだ眠っています。
歩道の所々に竹燈籠の灯りが眠そうに光っていました。
毎年この時期に開催される出水マチ・テラス(IZUMI MACHI TERRACE)というイベントの飾り付けです。竹という素材の為か優しい灯りです。


鶴が飛来する町
出水市と言えば鶴が飛来する事で知られています。
毎年、12~1月頃がピークで1万羽以上の鶴が飛来するそうです。
街の中に鶴のオブジェがありました。



出水武家屋敷群
ルートを調べている時、出水宿のかつての中心地と思われる本町・中町から南に数百m行った麓町という所に武家屋敷群が在ると書いてありました。
そのときは訪れようと思っていたのですが、実際に歩いたときはすっかり失念していて訪れるのを忘れてしまいました。
申し訳ありませんが こちらのリンク を押してホームページでご覧ください。
武家屋敷はその南側にあった山城、亀ヶ城(出水城)の家臣団が居住した場所という事です。

三百塚
文禄2年(1593) 豊臣秀吉の朝鮮出兵に従軍した七代島津忠辰と出水の家臣達は、出兵時の不首尾で秀吉の怒りをかい、改易を言い渡され、その後島津忠辰は病死。遺骨を携えて帰国した家臣達は、出水が秀吉の直轄領になっていた事を知り、遺骨を葬る場所もなく、帰る場所も無くなった家臣達は、ここ大野原に遺骨を埋葬し、家臣達はこの地で切腹して殉死しました。


出水宿から阿久根宿へ
東シナ海が見えます

三百塚を過ぎてひたすら西に向かって歩きます。
高尾野駅付近では高度成長期を彷彿とする家並みの中を歩き、家並みが途切れると刈り入れが終わった田園地帯を歩いて行きます。


野田郷武家屋敷群

薩摩街道は野田郷駅付近で唐突に南に方向を変えて山の麓を1kmほど歩きました。かつては薩摩街道の西側の山麓には亀井山城が在り、その1kmほどの区間は、説明板が無くてもこの道はかつては武家屋敷があった場所と思える景観です。ただ、武家屋敷は残っておらず、延々と続く石垣と武家門が残っています。






大日の仁王像
元々は明治の廃仏毀釈で廃寺になった永林寺にあった仁王像をここに安置したとのことです。宝暦2年(1751)の建立です。仁王像というと、鎌倉期の運慶による東大寺の金剛力士立像が有名ですが、こちらは素朴な感じで、少し愛嬌も感じます。




野田郷武家屋敷群が終わると再び西に向かいます。少し静かな道を歩くと、出水市から阿久根市に入ります。

島津但馬守墓
大山祇神社の奥に墓石がありました。
説明板には16世紀中頃に野田城主島津忠兼が薩州家主島津義虎に謀殺された際、その縁者であった桑原城主島津但馬守も攻め滅ぼされたと書かれていました。付近に桑原城址があります。



内閣衛星情報センター 阿久根受信管制局
突然、旧街道沿いの風景には不釣り合いなドームが見えました。南九州西周り自動車道(国道3号線)のそばにあります。どのような事をするのかを調べました。いまひとつ良く分からないのですが、衛星の開発・運用・衛星画像の分析を行っているそうです。



阿久根宿
 

里山の道を進んで行くと突然、海が見えました。前日まで見えていた八代海ではなく 東シナ海 です。ここからおよそ800㎞西の対岸は中国 上海です。日本本土の西の果てまで歩いて来たと感慨深いものがこみ上げてきます。


おれんじ鉄道の踏切を渡ると阿久根の市街地に入ります。
市街地は宿場の雰囲気は希薄ですが、町名が浜町、琴平町、港町と、いかにも阿久根漁港がある港町という町名です。




阿久根市街の外れに来たら、信号機に『番所丘公園』の文字が見えました。
"番所"と言えば、街道筋に通行を取り締まる為に設けられた場所と思っていたので、本来の薩摩街道は見えている丘の上を通っていたのか?と思いました。調べたら、江戸時代に密貿易を見張る"番所" があったとの事で薩摩街道とは関係がない事が分かりました。
現在はキャンプ場やドッグラン、ゴーカートコースなどが整備されたレジャー施設になっています。


阿久根宿から牛が浜駅へ
 


高之口港




大川島


牛ノ浜駅
薩摩街道は牛ノ浜駅の手前でおれんじ鉄道の踏切を渡って高台を通っています。




ロケ地  映画 『かぞくいろ -RAILLWAS わたしたちの出発―』
牛ノ浜の駅に掲載されていたポスターです。映画は2018年11月に公開され、肥薩おれんじ鉄道が舞台になっているそうです。牛ノ浜駅周辺でもロケされています。

キャストは有村架純さん、國村隼さん、青木崇高さん、桜庭ななみさん、筒井真理子さん などです。

ロケで撮影された下の写真は、今まさに歩いてきた薩摩街道です。


エピローグ
 

仕事で上海に何回か行った事がありました。飛行機から東シナ海を見た事はありますが、この海が『東シナ海』と思って海を見たのはおそらく初めての事と思います。海に境界がある訳ではないですが、この海が『東シナ海』かと思ってその海を見ると、この海の向こうに大陸があって多くの人達が暮らし、その人達の文化が形成されている。と考えるとエキゾチックな旅情を誘いました。


END

2025年07月28日 作成

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